プロ選手は春先から秋までレースがあり、多い選手は年間90レース以上走ります。
そういった選手たちでも、ずっとレースに出続けているわけではなく、春先のプログラム終了後、シーズン途中に一旦休養をとり、リフレッシュさせてから秋の最終目標に向かいます。
日本でも全日本が終わったら一旦休養を取って仕切り直しをしたい選手や、梅雨明けと同時に夏秋のシーズンへ向けて準備をする選手も多いと思います。
そこで今日はシーズン中の休養(mid-season breakと言います)について紹介します。
下記の画像はシーズン中に休養を取る事で春・秋の2回ピークを作るのに成功した選手の例です。
5月に2週間の休養を取り、6月に3週間のリビルド期間、7月に2週間の仕上げ期間を設けることで8~9月に春先よりも高いパワーを発揮する事に成功しています。
結果、この選手は秋のレースで3回表彰台に立っています。
図中青い線は長期的な練習量(CTL)、黄色は調子(TSB)、黒は1分間の最大パワー、オレンジは3分の最大パワーを表しています。
シーズン中の休養の具体例
1.休養期間
心身ともに休養させる時間。この時期に家族とバカンスに行く選手は多いですし、仕事を持っている選手であれば少し労働時間を増やす選手も居ます。この間、練習は乗っても2時間。殆どは1時間程度。激しいトレーニングは全く必要ありません。この時期を5日~2週間過ごします。
2.リビルド期間
疲労が抜けたら少しずつ再起動します。有酸素能力を再構築(リビルド)し、シーズン最後の仕上げに備える時期です。
この時、重要なのは既に冬から春にかけて培った有酸素能力を戻すという事。それにはテンポ(76-90%FTP)やFTP(91-105%FTP)領域のトレーニングが重要です。
この時LSDを行っても意味はありません。それは気温が低くレースまで3ヶ月以上ある時に行う練習です。特に日本の気候では効果が低いばかりか疲労するだけです。この時期に2~3週間かけます。
3.仕上げ期間
目標とするレースが迫ってきたら仕上げです。この時、特に強化するのはAC(121-150%FTP)、Vo2max(106-120%FTP)、NP(スプリントN/a)です。可能であればトレーニングレースに参加し、体力・テクニック・戦術すべてを磨き上げます。
リビルド期間の練習例(FTP300wattsの選手)
WU:ウォームアップ MS:メインセット CD:クールダウン
下記のメニューをコピーし携帯に転送して使ってください。
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Bike: 2hours
-メニュー(1)Tempo with bursts and big gear efforts(テンポ+スプリント+大ギア)-
この練習は休養中に落とした筋力と有酸素能力を同時に上げる練習です。
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WU:15分
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MS:60分のテンポ走(240-249w)+20回のスプリント テンポの間3分ごとに10秒間360wになるようにペースを上げる。
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10分回復走
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20分テンポ走 240-249wで巡航中、2分ごとにスローダウンし50rpmになるギア(例53x13T)を選び、シッティングのまま90rpmになるまでもがく。合計10回 90rpmまで行ったらテンポ走に戻る。
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CD:10分
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Bike: 2h30min.
-メニュー(2)テンポ+SSTインターバル(Tempo and Sweet spot intervals)-
この練習は筋持久力と循環器系を刺激するようにデザインされています。
SSTの間は集中し、滑らかで美しいペダリングを心がけよう。
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WU:15分
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MS:5x1分高回転走 1分間110rpm以上 1分90rpm程度を5回。パワーは気にしない。軽いギアでロスなくリズミカルに回そう。
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2x30分SST 264-279wattで、FTPの88-93%にピタリと合わせよう。インターバルは5分。
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45分テンポ 228-240wattで。少し脚にかかるがキツ過ぎないペース。
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CD:15分
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takashi@peakscoachinggroup.com
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